自動車免許を取得したら乗ってみたい憧れの輸入車【Mini】

1   数ある輸入車の中でも、その可愛らしいスタイリングに誰もが思わず微笑んでしまうクルマが「Mini」です。コンパクトなボディに、伝統の丸目型2灯式ヘッドライト、大きく口を開けたラジエーターグリルなど、1959年に登場した初代「Mini」の伝統が今もなお継承されています。今回は、2013年に登場した最新の「Mini」の魅力をご紹介しましょう。  

「Mini」は長い歴史を誇るコンパクトカーの元祖!

  2   初代「Mini」が産声をあげたのは、なんと1959年。当時の自動車技術の粋を集め設計され、今では当たり前になったFF(前輪駆動)方式や、小さなエンジンルームに4気筒エンジンを横方向に収める「横置き」方式など、世界初といえる技術が投入されました。全長3mほどの小さなボディには大人が4人乗ることができ、しかもトランクルームを備えるという実用性を確保して設計されたのも当時では驚異的といえます。 また、「Mini」は走りの楽しさも追求。ハンドルを切れば、スパッと反応するゴーカートのようなフィーリングは現代の自動車のレベルからしても、クイックなフィーリングと評されています。自動車の歴史を切り拓いた初代「Mini」は、2000年まで生産され、40年もの間、変わらぬ姿で愛された名車なのです。 その後、ドイツの高級車メーカー「BMW」が開発を行い、2001年に「NEW Mini」として登場しました。ドイツ資本でありながら、「Mini」の伝統を守るため、生産は英国オックスフォードで行われています。2006年には基本的なデザインはそのままに2代目を発売。ワゴンボディやSUVタイプなどラインナップを増やし、ますます「Mini」人気に火をつけたモデルでした。最新モデルにあたる3代目は2013年の「東京モーターショー」で日本上陸を果たし、翌年より販売を開始。ボディは一回り大きくなりましたが、「Mini」らしさは、しっかり健在です。  

「Mini」らしさはより濃厚に。どのクルマにも似ていないオリジナリティ性が魅力

  3   「BMW」が開発した2001年登場の初代からモデルチェンジの度に、車体が大きくなり、最新モデルでは「Mini」とはいいながら、ついに3ナンバー車の規格になりました(全幅が1,690mmを超えると日本では3ナンバー規格となります)。 1959年登場の初代「Mini」が、現在の軽自動車よりはるかに小さかったことからすると、比較にならないくらい大きくなりましたが、「Mini」らしさはより濃厚になり、ラジエーターグリルがさらに大きく口を開けているあたりは、クラシカルな要素を取り込みながらもよりモダンで英国色が強くなったと言えます。 伝統の丸目型2灯式ヘッドライトは、大型化され、上部に設置されたポジションランプはLEDを採用し、発光するとまるで「まつげ」のように見える実にキュートです。  

BMW」にも搭載される自慢のユニットで走れば速い!

  4   搭載されるエンジンは、直列3気筒1.5リッターターボエンジンですが、最高出力136ps、最大トルクは、2.0リッターエンジンを凌ぐ、220Nmを発生します。3気筒エンジンといえば、アンダークラスのクルマに搭載されるイメージがありますが、実はこのエンジン、「BMW」の各車にも搭載される自慢のユニットなのです。 低速からトルク感に満ちあふれ、スタートダッシュから気持ちの良いサウンドとともに、シューンと加速し、周囲の交通を軽々、置き去りにできるほど。最新の「Mini」のエンジンは、1.2リッター、1.5リッター、そしてスポーツモデルの2.0リッターの3種類から選べますが、今回試乗した1.5リッターでも「これ以上、何が必要?」という速さを発揮し、アクセルを床まで踏み込むと、目が追い付かないほど鋭い勢いでダッシュしていきます。 乗り心地は硬めで、道路の段差を乗り越えた際のショックがキャビンに伝わってきます。これは、「Mini」の伝統ともいえるもので、決して不快なものではありません。また、ステアリングを切ったときのカミソリのようなシャープな感覚は、「Mini」のそれを踏襲しています。 短時間ではありますが、カーブが連続する山道を走ってみました。「Mini」ならではの「ゴーカートフィーリング」は健在で、左へ右へとロールを感じないまま、ミズスマシのようにコーナーをクリアしていく様は痛快です。3気筒エンジンのパワーは十分で、急勾配でもトルクをモリモリと生み出し、俊敏にコーナーを立ち上がります。高速道路での安定性も特筆で、電動アシストのパワーステアリングは応答性に優れ、かつサスペンションシステムは電子的デバイスの助けを借りて、常に最適のハンドリングを実現しています。 国産コンパクトカーでは味わえない独創性にあふれた「Mini」。山道を軽快に走る楽しみと、日常的な市街地での運転をコンパクトなボディで楽に行える2面性を持った実に楽しいクルマです。       profile   筆者:外川信太郎/モータージャーナリスト 2000年に独立後、輸入車専門誌、新聞コラム、自動車情報ウェブサイト、キャッチコピーなどの手がけるモータージャーナリスト。年間百数十台の輸入車のインプレッションを行い、輸入車のすばらしさを伝えている。以前はヨーロッパでレーサーとしての活動もしていたため、安全運転への関心も高い。