運転適性検査とは?目的・種類・内容・結果を解説

自動車教習所に入学をすると、最初に「運転適性検査」を受けます。検査に使われるのは「警察庁式K型」と「OD式安全性テスト」の2種類です。この検査を行うことでどういったことがわかるのでしょうか。 また、これを理解しておくと、これから教習中だけではなく、運転免許を取得した後にも大いに役立てることができます。ここでは、検査の目的、2種類の検査や結果のパターン、適性検査を受けるにあたっての注意点やコツなどについて詳しく紹介します。
 

運転適性検査とは?

自動車教習所では学科と技能を始める前に、安全な運転を行えるかどうか見極めるために「運転適性検査」を行います。この検査は、質問項目に全て答えることで自分がどんな運転をするタイプなのか、どういった注意点に気をつければいいのか、などがわかるようになります。 よって、運転技能をしっかり身につけていくための「運転タイプ」を判断する目的として運転適用検査が使用されているのです。簡単にいうと「心理テスト」のようなものになります。入試テストのような難しい問題ではなく、安全に運転をしてもらうための検査だと思ってもらうといいかもしれません。

運転適性検査の種類

運転適性検査の種類 運転適性検査には「警察庁方式K型」と「OD式安全テスト」の2つがあります。それぞれの検査内容について説明します。

警察庁方式K型

検査は全部で7つあり、検査1~6は運転行動をチェックするテストです。2分~3分程度で終わります。中には30秒で終わるものもありますが、これはどれくらいの作業スピードがあるのかを測るためのものなのです。 しかし、検査員の中には早く作業をこなすように焦らせてくることもありますが、焦らずに落ち着いて行えば問題なくクリアできます。最後の検査7は性格を見極める回答問題となっています。検査員が口頭で問題を読み上げていくので、当てはまる方に「はい」「いいえ」で答えるだけです。すべての問題を完了するまでに約30分かかります。

OD式安全テスト

このOD式安全テストは1967年に開発されてから現在にいたるまで、全国の自動車教習所で取り組まれている適性検査になります。このテストを行うことで一人ひとりの安全運転に関する以下4つの適性を診断することができるのです。
  • 運転機能
  • 健康度・成熟度
  • 性格特性
  • 運転マナー
内容は「警察庁方式K型」と似ていて、検査員が口頭で読み上げていく問題と、当てはまる方に「はい」「いいえ」で答えるだけの問題といった簡単なテスト内容となっています。このテストも約30分で完了します。

適性検査からわかるタイプ分類

運転適性検査を受けることで、どのような診断結果がわかるのでしょうか。警察庁方式K型とOD式安全テストでわかる運転タイプ・安全運転度を紹介します。

警察庁方式K型

この適性検査では、以下6つのタイプに分類されます。この適性検査は主に、行動の速さと正確さをみるものです。行動が速い人はせっかちとみられ、正確さが優れている人は慎重な人だと判断されます。同時に、運転時の状況判断の評価もみることができます。
    1. 状況判断が遅い人
    2. 動作は早いけど正確さに欠けている人
    3. 神経質な傾向がある人
    4. 気分の変わりがある人
    5. 攻撃的な傾向がる人
  1. 自己中心的な傾向がある人
各タイプごとの心がけるポイントは以下となっています。
  1. 複雑な状況でも常にいろんな状況があることを見抜いて、適切な行動を心がけましょう。
  2. 周囲の状況に気を配りつつ、一呼吸おいて行動するように心がけましょう。
  3. バランス良く周囲に気を配りながら、リラックスして運転をするように心がけましょう。
  4. 気分が沈んでいる時はなるべく運転を控え、気分転換をして気持ちを高めてから運転をするように心がけましょう。
  5. 相手に譲る・思いやる気持ちを忘れないように運転をするよう心がけましょう。
  6. 自分の行動が他の人に迷惑をかけていないかどうか、振り返ってみる癖付けを心がけましょう。

OD式安全テスト

この適性検査では、以下4つのタイプに分類されます。教習期間でポイントをしっかり押さえられるようになれば、免許取得後の運転も安全運転を心がけられるようになるはずです。
    1. 安全運転をするタイプ
    2. もらい事故の傾向があるタイプ
    3. 重大事故の傾向があるタイプ
  1. 事故違反を多発させるタイプ
タイプごとの心がけるポイントは以下となっています。
  1. 絶対に事故を起こさないというわけではないので、油断せずに安全運転を心がけましょう。
  2. 複合操作が必要な場面での運転には充分に注意をするよう心がけましょう。
  3. 自分の運転技術に自信を持つまたは信用しすぎないように、安全運転を心がけましょう。
  4. どんな心構えが大事になるのかを考えながら、細心の注意を払って運転をするように心がけましょう。
自分がどのようなタイプに当てはまるのかを見極めるための方法として行われているので、必ずしも運転適性検査結果どおりのタイプであるというわけではありません。これを参考に、自分がどういったタイプの性格で、運転にどんな影響を与えやすい傾向にあるのかをしっかり理解した上で運転するようにしましょう。ここで忘れてはいけないのが、例え適性検査の結果が良かったとしても、安全運転を心がけるのは皆同じということです。

運転適性検査で落ちない

運転適性検査は、教習を受ける前に、自分は運転が向いているのかどうでないのかを知るための検査となります。入校する資格があるのかを測るために行われるものではないので、よっぽどのことが無い限り落ちることはありません。 検査結果は2~3日後にでますので、この検査結果を元に自分の悪い点を把握しつつ、その点を意識しながら、どのように講習を受けるのかを検査員から指導を受けます。中には、障害や持病による身体条件によっては入校できない場合もありますが、補助手段を使うことで問題なくハンドル操作ができれば入校できます。もし入校できるのか不安であれば、通いたい自動車教習所に行って確認してみましょう。

正しく検査をするための注意点とコツとは?

正しく検査をするための注意点とコツとは? 正しい運転適性検査の結果をだすためには、いくつかの注意点とコツがあります。適性検査を受ける前にしっかり確認をしておきましょう。

担当検査員の説明を聞く

検査内容は基本的に簡単なものが多いのですが、中には複雑なものも含まれています。このような問題に関しては、担当検査員が内容や注意事項の説明を行いますので、聞き漏らさないようにしっかり聞きましょう。特に、回答の順番や訂正方法を間違えると検査結果に大きく影響する可能性が高くなりますので、注意しなければなりません。ひと通り説明を聞いた後、少しでもわからないことがあれば検査前に必ず確認をしておきましょう。

落ち着いて正確に取り組む

検査は「始め」と「止め」の合図で検査1~7の項目ごとに行われ、制限時間が設けられています。時間がなくなると焦ってしまいますが、結果ではなくありのままの自分を知るために取り組んでいるということを意識しながら、ひとつひとつ丁寧に行っていきましょう。しかし、どれくらいの速さで作業が行えるのかを測る検査でもありますので、ある程度のスピードも意識する必要があります。

問題には正直に答える

問題の中には、検査員が読み上げるものもありますので、なるべく正直に回答してください。なぜなら、自分の性格を判断する心理テストだからです。よって、自分を良く見せようとしているのかも分かる問題も含まれています。良いように見せようとしても、その行動が審査結果にも反映されてしまいますので、問題には正直に回答するようにしましょう。 自分を良く見せるような回答をしてしまうと、検査結果にも大きく影響するということに驚いた人もいるかもしれません。運転適性検査で正しく審査をしてもらうために、上記3つの注意点とコツをしっかり抑えておくことが大切です。

運転適性検査は今後の運転に必要不可欠(まとめ)

何気なく行われる運転適性検査ですが、実は自分の性格とどのような運転タイプなのかを見極めてくれる大切な目的があったのです。入校するための試験ではないからといって、手を抜いたり違う回答をしたりしてはいけません。ありのままの自分を把握するために、しっかり正しく回答しましょう。