16歳以上ならバイク免許を取得できる年齢なので、原付免許にしようか中型免許にしようか迷っている人も多いです。原付は公道でも見かけることが多いバイクで、原付免許の試験内容も簡単だと評判です。しかし制限もたくさんあるので、免許を取る前に検討しておきましょう。
原付免許の受験資格・試験内容
公道を運転するのですから、安全のためにも試験を受けなければなりません。しかし普通免許を取得するために通学するなら数ヶ月かかるところ、原付ならとても簡単に免許が取得できるのですぐに運転免許が欲しい人に人気です。
受験資格
・16歳以上
・両目の視力が0.5以上
・一眼が見えない方は他の目の視野が150度以上かつ視力が0.5以上
・色彩、聴力検査で異常がない
・免停中の方は不可
免許の欠格期間が経過していたとしても、取り消し処分者講習を受講していないのであれば原付免許は受けられないので気をつけましょう。裸眼で0.5以下の人は眼鏡やコンタクトで矯正し0.5以上あることが資格条件です。
年齢さえ満たしていればそれほど条件として難しいものでもなく、多くの人が受けることができる資格です。普通免許が18歳以上ですから、16歳以上18歳未満の人には嬉しい運転免許と言えるでしょう。
試験内容
原付免許の試験費用や内容については以下の通りです。
項目
|
内容 |
試験費用
|
7,750円(都道府県により異なる) |
適性検査
|
視力、色判別、聴力、運動能力
|
筆記試験 |
制限時間30分
文章問題46問、イラスト問題2問(50点満点)
|
原付講習 |
講習時間3時間
筆記試験合格者のみ受講可
|
筆記試験に受かり、原付の運転に必要な実技訓練を受けたのちすぐに運転免許は交付されます。また、運転免許を取得している人なら自動的に原付免許が取得できていることになり、自動車教習所で原付の実技訓練が用意されている場合があります。
試験会場
原付免許を取得するだけなら自動車教習所への入校は必要ありません。受験会場は各都道府県に設置されている運転免許センターです。試験を受けられる運転免許センターは住民票があるところでなければなりません。また、東京にお住まいの人なら警視庁でも原付免許試験を受けることができます。
多くの運転免許センターが試験時間を午前と午後の2回に分けて開催しているので、午前試験に受からなかった人は午後に再度挑戦することも可能です。
勉強のコツ
筆記試験の時間が30分程度のため、多くの人が原付免許は簡単に取れると考えています。しかし、50点満点のうち合格点は45点ですから、かなり厳しい基準ですね。試験に落ちれば受験料をまた支払うことになるので、時間とお金を無駄にしないためにも事前に模擬テストは受けておきましょう。
問題は、ごく普通に交通ルールを知っていれば答えられるものからひっかけ問題もあるので、注意が必要です。
簡単な問題
問:交通渋滞が起きて車が停止しているとき、原動機付き自転車は車の前を横切って運転できる。 |
答:×(割り込み違反になる) |
ひっかけ問題
問:赤信号が青になって停止したままだと違反になる。 |
答:×(青信号は進んでも良いという「許可」だから止まっていても違反にはならない) |
【関連記事】その他のバイクの試験におすすめ▽
その他のバイクの試験を知りたい人はこちらの記事をチェックしてみましょう!
原付を運転するときのルール
原付免許は取得するのが簡単で、取得するまでの費用が安いところが特徴です。しかし、その反面で運転できる車種やルールに制限があります。原付での制限はバイク全般の制限につながる部分でもあるので、バイクに興味がある人はチェックしておいてもいいかもしれません。
運転できる車種
AT車MT車どちらでも運転可能
車にはAT車(オートマチック車)とMT車(マニュアル車)があり、持っている免許がAT車用ならMT車を運転することはできません。しかし、原付のAT車MT車は原付免許さえ持っていれば両方を運転することができます。
排気量50㏄以下の車種
よく排気量50cc未満でなければならないと勘違いしている人もいますが、「以下」なので50ccも含まれます。そのためあまりスピードが出せないように作られていますが、そもそも原付の法定速度が時速30km以下となっているのでスピードは必要ないでしょう。ヤマハやホンダ、スズキなどが多くの原付を製造しています。
AT小型二輪は原付免許では運転できない
原付よりも一段階上の排気量125㏄のAT小型二輪には、魅力的な車種がたくさんあり選択肢も多いですが、原付免許では50㏄以下の原付しか運転できません。運転するには試験を受講する必要があります。
運転時のルール
・運転時はヘルメット着用
・法定速度時速30kmを超えてスピードを出してはならない
・2人乗りをしてはならない
・2段階右折が義務付けられている道路がある
ヘルメットの着用は、すべてのバイク乗りに共通しているので当然と言えるでしょう。特に面倒なのが2段階右折の義務で、大きな道路では2段階右折が義務付けられていて、時折、2段階右折が禁止されている道路もあるためよく道路の状況を調べておかなければなりません。大きな道路だと右折の車線に行くまでに余裕をもって車線変更などの準備をしていなければならないので、それを面倒に感じ、結局中型免許(普通自動車二輪免許)を取り直すという人も多いようです。
【関連記事】中型免許で何ができるの?▽
中型バイク免許ではできることがたくさんあるので注目です。
原付免許はこんな人にオススメ
原付免許を取ればどんなバイクや車でも運転できれば良いのですがそうはいきません。特に簡単に取得できる原付だと使い方も制限されていてそれなら中型免許を取った方がいい、と考える人も多く、特に2000年代に入ってからは原付の需要も落ち込んできています。そのため原付はどんな人に選ばれているのか、自分には合っているのか知っておきましょう。
原付を選ぶ人
ファッションを限定したくない人
速い速度を出すバイクなら安全のためにも服装に気をつけている人が多いです。しかし、原付はそもそも出せる速度が30kmまでですので、それほど服装を心配しなくても良いでしょう。また、原付はスカートを着る人も乗りやすいようにサドルをまたがずに乗れるタイプが多いため、服装を制限したくない人に向いています。
ファミリーバイク特約を使いたい人
家族内で車やバイクを使っている人が複数いる場合、任意保険に加入しなければならないとしたら家計にかかる保険の割合が高くなってしまいます。一方が乗用車の自動車保険に加入しているなら、原付はファミリーバイク特約で保険がカバーされるので、二重で保険に入る必要はありません。
駐車場代を節約したい人
車で通勤しているなら自宅近くの駐車場にプラスして、会社の近くにも駐車場を確保しなければなりません。原付なら車よりも小さなスペースで済むので、駐車場代も節約できます。
通勤・通学でしかバイクを使わない人
排気量に制限があっても、仕事にバイクを使っていないのであればそれほどハイスペックのバイクは必要ないです。
原付を選ばない人
スムーズにスピードを出したい人
公道を走っていると原付だと車と同じスピードを出せないのでもどかしいですが、中型バイクだと速度60km出すことが可能です。
いろんなバイクを楽しみたい人
原付だとそもそも運転できるバイクが少ないです。大型バイクや中型バイクはデザインも豊富ですし、大きな運転できる免許を取得していれば、原付を含む様々なバイクを運転できます。
2人乗りしたい人
バイクは機動力がありますが、原付だと運転手1人しか乗れません。そのため子供を送り迎えしたい、恋人とツーリングしたいと考える人にとって原付は不向きです。
将来的に中型バイクに乗りたい人
原付は車検がないところが魅力です。実はこれは中型バイクでも同じです。気になる中型免許取得までの期間も合宿免許なら2週間程度で取れるので、時間の問題も解消できます。中型バイクを将来的に買おうと考えている場合、ある程度の期間原付に乗るとしても中型免許を取る方がメリットは大きいです。
【関連記事】自分にあったバイク免許を選びたい▽
自分に合ったバイク免許選びをしたいならこの記事がオススメです。
バイクが好きなら原付免許を取得しよう
免許を取る、車を買う、そのためにはお金と時間が必要です。原付免許は試験も簡単ですし、お金も安いので未成年のお金を節約したい人にとっては魅力的な運転免許です。しかし、将来的に中型に乗りたいのか、バイクに興味があるのかで最初に取得しておくべき免許が変わります。時間の問題であれば、通学以外にも合宿免許という選択肢もあるので利用してみてはいかがでしょうか。